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9 育児・介護休業制度

改正育児・介護休業法


 育児と介護については,育児・介護休業法(育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)で定められています。育児・介護休業法は平成21年6月に改正され,一部を除き平成22年6月30日から施行されました。

【改正法の概要】
1. 子育て期間中の働き方の見直し
  • 3歳までの子を養育する労働者について,短時間勤務制度(1日6時間)を設けることを事業主の義務とし,労働者からの請求があったときの所定外労働の免除を制度化する。
  • 子の看護休暇制度を拡充する(小学校就学前の子が1人であれば年5日(現行どおり),2人以上であれば年10日)

2. 父親も子育てができる働き方の実現
  • 父母がともに育児休業を取得する場合,1歳2か月(現行1歳)までの間に1年間育児休業を取得可能とする(パパ・ママ育休プラス)。
  • 父親が出産後8週間以内に育児休業を取得した場合,再度,育児休業を取得可能とする。
  • 配偶者が専業主婦(夫)であれば育児休業の取得不可とすることができる制度を廃止する。

3. 仕事と介護の両立支援
  • 介護のための短期の休暇制度を創設する(要介護状態の家族が,1人であれば年5日,2人以上であれば年10日)

4. 実効性の確保
  • 苦情処理・紛争解決の援助及び調停の仕組みを創設する。
  • 勧告に従わない場合の公表制度及び報告を求めた場合に報告をせず又は虚偽の報告をした者に対する過料を創設する。

育児休業制度


【育児休業の対象労働者】
 原則として1歳に満たない子を養育する男女労働者は,事業主に申し出ることにより休業することができます。ただし,「日々雇用される労働者」は対象になりません。また,労使協定により次の労働者を対象から除外できます。
 1.雇用されてから1年未満の者
 2.配偶者が常に子を養育できる者(廃止)
 3.育児休業の申出の日から1年以内に雇用関係が終了することが明らか   な者
 4.1週間の所定労働日が2日以下の者

「期間を定めて雇用される労働者」についても,次のいずれにも該当する場合は,申し出ることができます。
  1. 1年以上の雇用実績があり, 
  2. 育児休業を終了した後も引き続き雇用されることが明らかな者

【育児休業期間】
 原則として,子が出生した日から1歳に達する日(誕生日の前日)までの間で,労働者が申し出た休業開始予定日から休業終了予定日までのひとまとまりの期間です。ただし,育児休業に係る子を出産した女性労働者は,産後8週間の休業が終了したその翌日からになります。また,父親が出産後8週間以内に1度目の育児休業を取得した場合,1歳に達する日までに再度(2度目の)育児休業を取得することができます。
 また,次のいずれかに該当する場合,子が1歳に達した日の翌月から1歳6箇月に達する日までの期間育児休業を延長できます。
  1. 保育所に入所を希望しているが入所できない場合
  2. 子の養育を行っている配偶者であって,1歳以降子を養育する予定であったが,死亡,負傷,疾病等の事情で,子を養育することが困難になった場合
 また,父母がともに育児休業を取得する場合,1歳2か月(現行1歳)までの間に1年間育児休業を取得可能です(パパ・ママ育休プラス)。

【育児休業回数】
  1. 1人の子につき原則として1回取得できます。ただし,厚生労働省令で定める特別の事情がある場合は1人の子につき1回を超えて申出ができます。
  2. 期間を定めて雇用される労働者が育児休業する場合,現在締結されている労働契約期間の末日までに休業した後,労働契約の更新に伴って更新後の労働契約期間の初日を育児休業期間開始予定日とする申出をする場合は,再度の申出ができます。
  3. 1歳以降の育児休業の申出は,1歳までの育児休業の申出とは別にカウントされます。

【育児休業の終了】
 育児休業は労働者が申し出た休業終了予定日に終了しますが,労働者の意思にかかわらず,次の場合には終了します。 
  1. 育児休業期間中に子の死亡等により子を養育しないこととなった場合
  2. 子が1歳に達した場合(1歳6箇月まで育児休業する場合は,子が1歳6箇月に達した場合)
  3. 育児休業中の労働者について産前産後の休業期間,介護休業期間又は新たな育児休業期間が始まった場合

介護休業制度


 要介護状態(負傷,疾病,身体上もしくは精神上の障害により,2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態)にある対象家族(労働者の配偶者,父母,子,配偶者の父母,同居しかつ扶養している祖父母,兄弟姉妹,孫)を介護するために,雇用関係を継続したままで休業することができる制度です。

【介護休業の対象労働者】
 男女労働者とも事業主に申し出ることにより休業することができます。ただし,「日々雇用される労働者」は対象になりません。
 また,労使協定により,次の労働者を対象から除外できます。
  1. 雇用されてから1年未満の者,
  2. 休業の申し出から93日以内に雇用関係が終了することが明らかな者,
  3. 1週間の所定労働日数が2日以内の者
 「期間を定めて雇用される労働者」についても,次のいずれにも該当する場合申出ができます。
  1. 1年以上雇用実績があり,
  2. 介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれる者(93日を経過する日から1年を経過する日までの間に,労働契約期間が満了し,かつ,労働契約の更新がないことが明らかである者を除く。)

【介護休業期間】
 身の回りの世話等をするために介護休業ができるのは,対象家族1人につき,一つの要介護状態ごとに1回,通算して93日を限度として,原則として労働者が申し出た期間です。

【休業期間の終了】
 介護休業は,労働者の申し出た休業終了予定日に終了しますが,労働者の意思にかかわらず,次の場合には終了します。
  1. 対象家族の死亡
  2. 離婚,婚姻の取消,離縁等により対象家族と労働者が親族関係を消滅した場合
  3. 労働者が,負傷,疾病または身体上若しくは精神上の障害により,対象家族を介護できない状態になった場合
  4. 介護休業をしている労働者が,産前産後休業,育児休業期間または新たな介護休業期間が始まった場合

【休業給付】
  1. 育児休業給付
    育児休業給付は,1歳未満(一定の要件を満たした場合は1歳6箇月未満)の子を養育するために育児休業をしたときに,雇用保険から一定の要件を満たす被保険者に対して支給されます。育児休業給付には,休業期間中に支給する「育児休業基本給付金」と職場復帰後に支給される「育児休業者職場復帰給付金」の2種類があります。
  2. 介護休業給付
    介護休業給付は,要介護状態にある対象家族を介護するため休業したときに,一定の要件を満たす被保険者に介護休業給付金として支給されます。

【介護休暇】
 通院の付き添いや買い物などのために取得する単発の休暇制度です。要介護状態の家族が1人であれば年5日,2人以上であれば年10日取得できます。

【子の看護休暇制度】
 小学校就学前の子を養育する労働者は,事業主に申し出ることにより1年度(事業主が別段の定めをする場合を除き,4月1日~3月31日)に5日を限度として子の看護休暇を取得することができます。これに対して,事業主は申出を拒むことはできません。

【育児・介護休業における事業主の講じるべき措置】
  1. 休業申出拒否の禁止
  2. 不利益取扱の禁止 
  3. 時間外労働の制限措置
  4. 深夜業の制限 
  5. 勤務時間短縮等の措置

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