学園紹介

京都の「働く」を応援する、リカレント教育の拠点

 京都は勤労者教育において戦前からの長い伝統を持つ都市で、この方面に理解のある学者、文化人、労働組合、府・市当局に恵まれ、第二次大戦後いち早く労働学校や労働講座が開講されてきました。

 こうした中、京都の勤労者教育の中心的存在であった「京都人文学園」と「京都勤労者教育協会」の2つが各界の要望に応える形で1957年3月に統一し、労働組合、地方自治体、学識経験者の三者の協力の下、全国初の勤労者総合教育センターとして「社団法人 京都勤労者学園」が設立されました。公的な性格を持つ勤労者教育機関という、全国的にもユニークな、京都ならではの学校です。(「京都地方労働者教育史」参照)

 京都勤労者学園は、勤労者のキャリア形成と真のワークライフバランスの実現を目指し、京都の勤労者の地位を向上させ、より安定した職業生活を選択できるようにするための、各時代にふさわしい教育事業を進めることを目標としてきました。

 就業・就労・転職・起業等に役立つ知識・スキルから、労働関連法、社会保障制度、メンタルヘルスケア、コミュニケーション能力、教養まで、生涯を通じて社会の様々な分野で活躍できる人間を育てるため、講座や情報を提供し続けています。また、国際観光都市京都における、おもてなし力、語学力、異文化理解力を育てるため、英語・韓国語・中国語講座のほか、日本・京都の文化・歴史についての知見を深める講座の充実にも力を入れています。

 学校は、多様な人との出会いの場であり、友人・仲間を得る機会です。受講を通して、受講生が新たな人的ネットワークを築き、交流の輪を広げることは、学園の願いでもあります。今後も職業、年齢、国籍、性別、障がいの有無等に関わらず、京都で働き・暮らし続けるための「学び」と情報を提供してまいります。

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 1997年5月 40周年を機に「ラボール学園」という愛称を決定しました。「ラボール(Labor)」は、ラテン語で「労働」を意味します。

 2013年4月 「公益社団法人 京都勤労者学園」として新たに出発しました。

 2017年5月 創立60周年を迎えました。

理事/監事/顧問

(2024年2月現在)

学園長

佐藤 敬二 (立命館大学法学部教授) (非常勤)

専務理事

市田 佳之 (常勤)

理事

稲森 公嘉 (京都大学大学院法学研究科教授) (非常勤)
杉山 雅人  (京都大学大学国際高等教育院特定教授) (非常勤)
三吉 勉 (同志社大学社会学部助教) (非常勤)
坂井 岳夫 (同志社大学法学部教授) (非常勤)
石田賀奈子 (立命館大学産業社会学部准教授) (非常勤)
只友 景士 (龍谷大学政策学部教授) (非常勤)
朝岡 直人 (連合京都:自治労京都市職員労働組合副中央執行委員長) (非常勤)
門野 昭善 (連合京都:UAゼンセン京都府支部次長) (非常勤)
垂脇 彬 (連合京都:島津労働組合書記長) (非常勤)
福島 功 (京都総評:京都自治体労働組合総連合執行委員長) (非常勤)
坂田 政春 (京都総評:京都医療労働組合連合会書記長) (非常勤)
義本 知史 (京都府商工労働観光部労働政策室長) (非常勤)
工藤 直之 (京都市文化市民局共生社会推進室担当部長) (非常勤)

監事

木村 守 (税理士) (非常勤)
渡部 郁夫 (連合京都京都市地域協議会事務局長) (非常勤)
伊藤 修平 (京都総評事務局次長) (非常勤)

顧問

西脇 隆俊 (京都府知事) (非常勤)
松井 孝治 (京都市市長) (非常勤)
三村 義夫 (京都勤労者学園元専務理事) (非常勤)
二場 邦彦 (立命館大学名誉教授) (非常勤)
西井 正弘 (京都大学名誉教授) (非常勤)
宮川 治 (元JAM京都委員長) (非常勤)
千田 忠男 (同志社大学名誉教授) (非常勤)
西村健一郎 (京都大学名誉教授) (非常勤)
吉田美喜夫 (元立命館総長) (非常勤)
田中 行夫 (元京都勤労者学園専務理事) (非常勤)
佐々木眞成 (合同繊維労働組合執行委員長) (非常勤)

事業概要

事業の目的

  1. 勤労者としての自覚と意識を高め、勤労者の資質の向上に役立つ学習機会や情報を幅広く総合的に提供する。
  2. 観光を基幹産業とする京都に求められている人材を育てる。
  3. 勤労者の雇用と生活を支える力となる職業的知識や職業能力、教養、国際感覚を高め、就職、転職に向けた職業選択の可能性を拡げるための支援を行う。
  4. 仕事と生活の調和及び質的向上の推進に寄与する。
  5. 勤労者の生涯にわたる心身の健康維持・増進について考える講座やイベント、定年後の生活について考える講座、定年後の生活を充実させる講座など、勤労者自らの生活設計について考える機会を提供し、仕事と生活の調和(ワークライフバランス)及び質的向上が実現できるよう支援する。

Ⅰ 勤労者福祉・勤労者教育に係る講座・セミナー

京都労働学校 

京都市と学園が主催するリカレント教育講座を実施する学校です(各種学校の認可を受けています)。

 京都労働学校の目標:
  • 職場、社会活動、就職・転職で求められるスキルの習得
  • 勤労者のメンタルヘルス維持
  • セカンドライフの充実に必要な知識・教養・技能の学習
  • 真のワークライフバランスの実現
  • 国際観光都市京都に求められる「おもてなし力」の向上
京都労働学校の特徴:
  • 実務科目から教養・資格取得科目まで幅広い領域をカバー。
  • 専門家による質の高い勤労者教育。
  • リーズナブルな受講料設定。

府市民教室 文化教養講座

 京都市と共催で開設する昼間の教室です(1974年開設)。人生と生活を充実させ、教養を豊かにする、歴史・文芸、書道・絵画、技芸・健康など幅広い分野の教室を開講しています。

パソコン・IT講座 

  基本操作、ワード・エクセルの操作、スマホやSNSの活用法から仕事に必要とされる最新スキルまで、レベルに合わせて学習していただけます。

 仕事はもちろん、就職に向けたブラッシュアップ、町内会・PTA、ボランティアなどの社会活動で必要とされるスキルを、必要な時に必要なだけ少しずつ身に付けていただくことが可能です。

ラボール学園のパソコン教室の特徴:
  • 一人一台のWindowsパソコンを使いながら、時間をかけてじっくり教えます。
  • 昼間の講座は毎月募集の短期集中コースです。職員の研修としても活用いただけます。
  • 夜間の講座は2~3ヶ月コースで、仕事に活かせるスキルを夜間に学んでいただけます。 

英会話教室 

 ラボール英会話教室は1982年に市民の皆様の強い要望により、京都労働学校の一環として誕生しました。以来京都市との共催のもと、・少しでも多くの市民の皆様に英語に親しむ機会を得ていただけるように、国際観光都市京都の名に恥じない人材基盤の強化を目指して、開講しています。

 海外からの観光客に対する道案内や、顧客との対応・やりとり・もてなし等職場で求められる語学力の向上の他、就職・転職、海外出張や留学を控えておられる方、短期語学研修・海外ボランティア・ホストファミリー等への応募を考えておられる方、通訳案内士・ボランティア通訳を目指しておられる方等、受講者の目的や年齢は様々です。

京都市ユースアクションプラン

*ラボール英会話教室は、京都市ユースアクションプランに基づく、「青少年の自立・成長を支援する事業」として京都市に認証されています。

無料の労働セミナー(労働講座)

 勤労者教育を推進する労働組合や事業団体・NPO等と協働し、様々な機会を活用して、就職・就労・転職・退職の際に知っておきたい基礎知識や勤労者を取り巻く現状、メンタルヘルスの維持に向けての基礎知識等を普及・啓発するための単発の講座・セミナーを開講しています。

  • 公開セミナー:勤労者の関心やニーズに合わせた最新のテーマを取り上げるセミナーです。
  • 労働関連法セミナー:労働界を取り巻く社会問題や法制度などの知識を専門家が伝えるセミナーです。
  • 出張・提携講座:園員団体を対象に、労働に関するセミナー・研修会の開催を支援し、補助金を支給します。
  • 出前授業:高校・専門学校・大学等を対象に、労働に関する授業や研修会の開催に社会保険労務士などの講師を派遣します。

Ⅱ 勤労者福祉・勤労者教育に係る情報提供

調査・出版・

  • 勤労者の意識調査:毎年テーマを決めて、京都府内の勤労者の意識調査を実施し、その結果をまとめた冊子を発行しています。

資料収集

勤労者に役立つ情報を収集し、本学園内とWEB上で広く一般に提供しています。

廊下に設置してある勤労者情報コーナー、掲示板、ロビーの資料コーナーで情報提供を行っています。配架資料は、本学園ロビーで閲覧いただけます。また、「さわやかわーく~京都市・働く人の情報サイト」「戦後労働運動年表」を編集・運営しています。

環境への取組み

学園では、環境に配慮した学習環境の整備に取り組んでいます。

(1)空調

各教室の空調は夏は26度、冬は22度に設定し、サーキュレーターで教室内の温度が一定になるよう調整しています。

(2)空気清浄機

感染症対策として、加湿器付きの空気清浄機を各教室に設置しています。

(3)ダストレスチョーク

学園で使用しているチョークは、粉が飛び散りにくい「ダストレス」タイプです。廃棄物となっていたホタテ貝殻を利用したもので、人体に無害です。

(4)給水機

マイボトルをご持参いただければ冷水・常温水が汲める給水機をロビーに設置しています。

(5)バリアフリー

トイレ、教室、受付カウンター、自販機等はいずれも車いすに対応しており、車いすでの受講も問題ありません。目や耳の不自由な方は、ガイドヘルパーとともに受講いただくことも可能です。

メディア

2017年度

2017年7月5日 京都新聞夕刊紙上に、勤労者教育についての斎藤学園長によるエッセーが「現代のことば」欄に掲載されました。

勤労者教育について

 

 

 

 

 

2017年5月

当学園の勤労者教育の変遷について、公益社団法人新潟県自治研究センターの方が去る2月に聴き取り調査のために来校されました。その内容を掲載した調査研究報告書、「あしたへー学びのセーフティネット」をいただきましたので、ここに紹介します。(掲載にあたっては、同団体の許可を得ております。)設立経緯と事業についてコンパクトにまとめてご紹介いただいています。調査にお越しくださった皆様、大変ありがとうございました。

2016年度

2016年11月9日 京都新聞紙上で本学園の英会話教室が、「シニアの英語学習」特集で紹介されました。