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労働相談事例集
上司の暴言に悩む
 JさんはR社で働いて5年目で,4月から部署が変わりました。新しい上司との相性が悪く,同僚の前で「バカ」「役立たず」「デブ」等と罵倒されたり,酒の席で「よくウチに就職できたな」「他の人と同じ給料を貰っていて申し訳ないと思わないのか」等の嫌みを長時間言われたり,必要のない書類作成を押しつけられたりしています。同僚の中には同情してくれる人もいますが,上司に面と向かって反論してくれる人はいません。しばらくは,異動したばかりでミスも多かったため,上司の暴言もガマンしていましたが,風当たりはいっこうに弱くならず,最近,身体がだるい,会社に行く気がしない等の鬱のような症状が出てきました。「これがパワハラに当たるかどうか自信がないけれど,どこかに相談したり,何かできる対処があるか?」という相談内容でした。


アドバイス
 上司が部下に,業務指導の範囲を超えて相手の人格を傷つけたり,人権を侵害するような発言をするのはパワハラにあたります(パワハラの概念についてはポータルサイト「あかるい職場応援団」を参照ください)。
 言われたことをメモしたり,嫌がらせのメールを保存したり,言動を録音する等の証拠集めも可能であればしましょう。
 周りの方・同僚の方に話しを聞いてもらうのも,被害を客観的に整理するという意味でも,ストレスをため込まないという意味でも有効です。身近な人に相談しにくい場合には,労働組合の無料相談窓口やカウンセリングを利用してもいいでしょう。
 まずは,会社の人事部門等にパワハラ・セクハラなどの相談対応部署があれば相談してみましょう。会社内の機関であれば,柔軟に,素早く対処してくれる可能性が高いからです。しかし,会社によっては,担当者の対応が悪く,うやむやに終わったり,最悪の場合相談したことが当該上司に知れて,さらに風当たりが強くなるという可能性も考えられます。
 外部でしたら,労基署の相談窓口を利用でき,勧告・指導などの対処が取られることがあります(この場合,訴えた人の名前などが会社に知らされることはありません)。また,個別労働紛争解決システムやあっせん制度を利用することもできます。会社や経営者が話し合いや勧告・指導を受けて問題をきちんと受け止めれば,当該上司の処罰や社内の規律整備につながることも期待できます。
 また,パワハラにより鬱を発症し,心身の不調に陥ったり,休職・退職することを余儀なくされた場合に,労働災害の認定を受けたり,法テラス等の機関に相談して会社に対し損害賠償請求の訴えを起こすことも考えられます。