労働相談事例集
「就業規則?うちにはないよ。」

 Oさんは,大学卒業後,知り合いの紹介で出版社でアルバイトを始めました。会社では,正社員8名とアルバイトを併せて20名程度が常時働いていました。
 ある時,友人がバイト先の企業とトラブルになり,突然解雇されたことをきっかけに,Oさんは自分の労働条件が気になり,上司に就業規則を見せてほしいと頼みました。しかし,「うちは規模が小さいから作ってないよ。」と言われました。


アドバイス

 「常時10 人以上の労働者を使用する」事業場では,就業規則の作成・届出義務があります。
 労働者数が時期によって変動する場合もありますが,「常態として」10 人以上であるか否かで判断します。この労働者数にはパートや契約労働者,アルバイト等雇用されるすべての者が含まれますので,Oさんのケースでは,企業に作成義務があり,「規模が小さいので」という理由は成立しません。労基法違反となります。
 なお,トラブルを未然に防ぐためにも,たとえ10人未満であっても作成・周知が望ましいとされています。

<就業規則に必ず記載すべき事項>
  1. 始・終業の時刻,休憩時間,休日,休暇。シフト勤務体制の場合は,そのシフト全部を記載する必要がある。
  2. 賃金(臨時の賃金を除く)の決定・計算方法,支払方法,締切日・支払時期,昇給に関する事項
  3. 退職に関する事項(「解雇の事由」を含む)

<定めがあれば必ず就業規則に記載すべき事項>
  1. 退職手当に関する定めが適用される労働者の範囲,手当の決定,計算及び支払の方法ならびに支払時期に関する事項
  2. 臨時の賃金,最低賃金額に関する事項
  3. 労働者の食費,作業用品その他労働者負担に関する事項
  4. 安全・衛生に関する事項
  5. 職業訓練に関する事項
  6. 災害補償,業務外の傷病扶助に関する事項
  7. 表彰及び制裁の種類,程度に関する事項
  8. 前項のほか事業場の全労働者に適用される定めをする場合においては,これに関する事項

<周知の方法>
 @各従業員へ書面で交付
 A常時各作業場の見やすい場所への掲示又は備え付け
 Bパソコンなど,従業員がいつでも見られる場所への保存




<参考リンク>

▼モデル就業規則
(厚生労働省)