京都総評

政策提案

北陸新幹線延伸計画・与党整備委員会による「桂川ルート案」合意表明に対する抗議声明

2026年7月16日

京都総評は、北陸新幹線延伸計画・与党整備委員会による「桂川ルート案」合意表明に対して、満身の怒りをこめて抗議し、撤回を求める京都総評議長 緊急声明を発出しました。

 

【京都総評議長 緊急声明】

北陸新幹線延伸計画・与党整備委員会による「桂川ルート案」合意表明に

満身の怒りをこめて抗議し、撤回を求めます。

 

北陸新幹線の延伸をめぐって、自民党・維新の会の与党整備委員会は、7月15日に「小浜・京都ルートの桂川ルート案」で合意したと表明しました。

府市民の世論も地元自治体や議会の懸念や反対すら横に置いて、とにかく「ルート案決定」だけに固執した府市民不在の密室政治に、満身の怒りを表明し、ただちに、合意の撤回と「小浜・京都ルート」の断念を求めます。

この「与党整備委員会のルート案合意」自体に、いくつもの問題があります。

1.全国新幹線鉄道整備法自体に住民には知らせずに進めるという本質的問題がある下で、今回の計画では自らがルート案を公表してきた以上、ルート選定は、現段階の世論や懸念に対して、説明が行われた後であるべきで、あまりにも府・市民不在の自民党・維新の会による密室独断手法は、断じて認められません。しかも、京都ルートには反対としていた維新の会の「桂川ルート提案」自体が公約違反であり、無理矢理の「合意」は、それだけで撤回すべきです。

2.京都市議会では「京都市内を大深度トンネルで通るルートに反対する決議」(昨年6月)があり、この間、全会派の紹介議員による京都仏教会の「千年の都の歴史と未来に大きな禍根を残す」「市が独自の調査・検証」を求める請願が委員会採択されるなど、京都市民の意思は明らかです。今回の「桂川ルート決定」は、この意思を無視する地方議会への愚弄であり、「南北ルート」を避けたことなど、何の理由にもなりません。

3.どんなに取り繕っても、政府自らが掲げる「整備新幹線の建設着工五条件(①安定的な財源確保、②収支採算性、③投資効果、④JRの同意、⑤沿線自治体の同意)」に、すでに合致していないのに、あえてそのルートをごり押ししようとしている態度です。何よりも、「沿線自治体の同意」どころか、懸念表明ばかりで、議会が反対決議をあげるなど、同意がされていない「計画案」をあえて指定したことは重大問題です。収支採算性が崩れていることは、国交省・鉄道運輸機構の費用便益比の評価が「0.5」であり、投資効果は、東京から新大阪までがつながったとした経済効果でも評価はスレスレの「1.1」で、今後の建設費膨張などを見込めば無責任極まりありません。この間、西田参院議員の国会質疑で、高市首相から国の負担の増を表明させたことなど、まったく「安定的確保」の根拠にはなりえません。

4.むしろ、京都総評が特別決議で指摘した懸念と反対の理由(①地震多発の下で大深度トンネルに新幹線を通す無謀、②地下水への影響、③残土による環境汚染、④5兆円を超える建設費と、府民・自治体負担、⑤着工の条件をも満たさない対費用効果と30年近くの工期)は、共通認識に広がっています。例えば、府の水源域での山岳トンネルによる水位の大規模な低下など、国・鉄道運輸機構の調査で明らかになったばかりです。

5.ルート周辺の住民には、計画によるリスクがまったく示されていないことに周辺住民から大きな声があがっています。すでにリニア新幹線や高速道路などの建設による被害が各地から報告されていることを踏まえれば、住民に対するリスクの説明を与党整備委員会がすべきです。

京都府・市による懸念表明をよそに、与党整備委員会が独断した「桂川ルートの合意」を撤回することを求めます。同時に、いっそう広がる府市民の懸念の声をふまえ、府知事、京都市長が一刻もはやく反対の表明をされることを求めるものです。

2026年7月16日  京都地方労働組合総評議会 議長 梶川 憲

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