化学一般労連の活動内容

1.化学一般労連とは

 主に中堅・中小企業の化学関係(油脂・塗料・染料・顔料・樹脂・ゴム・医薬品・硝子・紙・パルプ等)を中心とした会社で働く労働者・労働組合が集まる産業別組織です。名称に化学とありますが、現在では中堅・中小・零細企業であれば業種は問いません。
 組織図からわかるように、化学一般労連は全国5地域に置かれる地方本部から構成されており、各地の地方本部はそれぞれ地域の労働組合や合同労組(1人から入れる労働組合)で構成されています。
 全国で約5,000人と決して大きな組織ではありませんが、基本方針に示す「まともな労働組合」を自負し活動しています。

 

 

2.化学一般労連の活動内容

 化学一般労連が行う具体的な活動内容を紹介します。

①様々な調査活動
 「調査なくして要求なし」の言葉どおり会社と交渉する大きな武器になるのが調査資料です。過去に行った調査の一部を紹介します。
(1)賃金実態調査
(2)総合労働条件調査
(3)賃上げ意識調査
(4)労働・生活・健康アンケート
(5)再雇用労働条件調査
(6)賃上げ・一時金交渉 要求・回答速報

②学習と交流の場を提供
 労働組合が会社と交渉するにあたっては、事前に学習しておくことが大切です。そして、社外の組合員と交流することによって得た知識や経験は会社との交渉や労働組合の運営に必ず役に立ち「井の中の蛙」となることを防ぎます。化学一般労連またはそれぞれの地本組織では定期的に学習会・交流会を開催しています。

③困った時に助け合う仲間に
 労働組合の活動を行っていく上では、解決が困難な問題が多かれ少なかれ発生します。そんな時、化学一般労連が相談に乗ったり、支部の執行委員会に出席したり、会社との団体交渉に出席し解決策を模索します。
 解雇ルールを守らない指名解雇については、控訴も含めて全国の化学一般仲間が総力を上げて闘い撤回させます。

④安全なくして労働なし
 労働組合の活動といえば賃上げや一時金要求などの経済闘争を思い描きがちですが、私達化学一般では「健康で安全に働く」保障があってこその賃上げ要求であると考え、安全衛生活動には特に力を入れています。労働災害を起こさない予防策だけに留まらず、メンタル不全を防ぐ職場環境の改善にも取り組んでいます。

⑤制度・政策要求について
 私たち働く者の生活・権利・いのちと健康などの環境を決定する要因は、労働組合の立場から見ると大きくは三つあります。
★一つ目:国や地方自治体の政策という大きな枠
★二つ目:同業他社、世間の諸労働条件の水準
★三つ目:企業内における諸労働条件
 この国で生活をしていく以上、国や地方自治体の政策という大きな枠のなかで生活が左右されることになるわけですから、私たち労働組合としては、これらの政策にも目を向けていくことも求められています。
 化学一般ではこれまで国(政府)に対し以下のような制度・政策要求を行ってきました。
(1)不払い労働(サービス残業)一掃
(2)消費税反対
(3)解雇規制強化
(4)労働時間規制強化
(5)労働者派遣法の規制強化

3.組織拡大に向けて

 化学一般労連では労働組合の組織拡大活動に重点を置いており、無料の労働相談や組合の立ち上げサポートを行っています。
 日本では非正規労働者が増加する一方で、労働組合加入率は減少を続けています。しかし、「要求」の実現を目指すにあたって人数の多さと団結力ほど強いものはありません。日本全国に労働組合が増え、労働運動が活発になれば自ずと労働条件が底上げされることに繋がります。
 劣悪な環境の職場で働く労働者を撲滅するためにも仲間を増やす活動が重要と考えています。