違法な採用内定取消・採用延期に対する対処 |
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| 短大卒業を控えたA子さんよりの相談。 |
| 卒業を控え京都市内のS社の就職試験に合格し採用内定の知らせを受けたが、 |
| 内定通知後暫くして「業績見通し悪化」を理由とする採用内定取り消しの通知が |
| あった。 |
| 現時点では他社への就職も時期的に厳しい状況にあり困っている。どうしたら |
| よいか。 |
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| アドバイス |
| 不況を理由とする内定取消しの多くは、合理性を認めるのが困難と考えます。 |
| すなわち、不況を理由とする内定取消しの場合、企業の経営・人事計画にもと |
| づいて一旦は積極的に人材募集・勧誘を行っておきながら数ヵ月後に覆すわけで、 |
| 短期間で採用できなくなる程経営が悪化することは通常考えられず、また仮に経 |
| 営状況が悪化したとしても、それを予見できなかった責任は会社側にあり、採用 |
| 内定取消しが合理的・社会通念上相当と認めることが困難だからであります。 |
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| また、採用延期については、採用内定により入社予定日を就労の始期とする労 |
| 働契約が成立しているから、採用内定後の企業の都合による入社期日の繰り下げ |
| (採用延期)は、一時帰休と同じ「労務義務の免除」ないし「労務の受領の予めの |
| 拒否」であります。 従ってその入社予定者は、民法536条2項により、反対給付 |
| たる賃金金額の請求権を有します。 |
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| 労基法26条による平均賃金の60%(休業補償)しか補償しない企業も見受けら |
| れますが、そのことで民事責任が免除されたわけではなく、使用者には賃金金額 |
| の支払い義務があることに注意してください。 |
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| 厚生労働省の指針(平成21年1月19日改訂) |
| 1 趣 旨 |
| 新規学校卒業者の就職は、学校生活から新たに職業生活に入る人生の大きな転 |
| 機となるものであり、それが適切に行われるかどうかによって、その将来を左右す |
| ることにもなるものである。しかし、新規学校卒業者は、職業や職場に関する知識 |
| ・経験に乏しく、適切な職業選択と円滑な就職を行うためには、関係者の助言、援 |
| 助を必要とする。 |
| また、最近、学生・生徒に大きな打撃と不安を与える採用内定取消し及び入職時 |
| 期繰下げといった重大な事態が発生し、新規学校卒業者の就職に大きな影響を与え |
| ている。 |
| この指針は、このような状況を踏まえ、新規学校卒業者の採用に関する秩序を確 |
| 立し、その円滑な就職を促進することを目的として、新規学校卒業者を採用しよう |
| とする事業主が考慮すべき事項を定めたものである。 |
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| 2 事業主が考慮すべき事項 |
| (1) 適正な募集・採用計画の立案 |
| 学生・生徒にとって、就職は、職業生活の第一歩を踏み出すことになる重要なも |
| のであり、就職先の決定に当たっては、慎重な検討と多くの関係者の援助が必要と |
| されるものである。 |
| 一方、企業にとっても、新規学校卒業者は、長期的に企業活動を支えることを期 |
| 待されている人材であり、その採用は重要な意義を持つものである。 |
| このため、事業主は、募集・採用計画の立案に当たり、次の事項について考慮す |
| べきである。 |
| @ 事業主は、募集・採用計画の立案に当たっては、毎年の募集・採用数の大幅 |
| な変動ができるだけ生じないよう、入職後の人材育成等雇用管理面にも配慮しつ |
| つ、中長期的な人事計画等に基づいて、必要な人材を真に必要なだけ採用する方 |
| 針を確立するよう努めるものとする。 |
| A 事業主は、当該年度の具体的な募集・採用計画の立案に当たり、中長期的な |
| 人事計画等の下、企業の人員構成、職場における要員の過不足の状態等を十分見 |
| 極めた上で募集・採用計画数を決定するよう努めるものとする。 |
| B 事業主は、募集・採用計画数の決定に当たり、「若干名」、「○○人以内」 |
| 等不明確な表現、実際の採用計画数を超えた人数による募集等は避け、採用人数 |
| を明確にするよう努めるものとする。 |
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| (2) 募集・採用活動 |
| 新規学校卒業者の募集・採用活動が無秩序に行われた場合、学生・生徒の学業に |
| 支障を生じる外、特定の学校等に求人が集中し、就職の機会が制限される可能性が |
| あること及び学生・生徒の就職活動も無秩序化し、重複内定を誘発しやすい環境を |
| つくり出すことといった問題が発生することが懸念される。 |
| また、企業の募集・採用計画の内容及び募集・採用予定人員は、学生・生徒が就 |
| 職先を決定するに当たって、重要な判断材料となるものであり、安易な募集の中止 |
| 又は募集人員の削減は、円滑な就職の妨げとなるものである。 |
| このため、事業主は、募集・採用活動の実施に当たり、次の事項について考慮す |
| べきである。 |
| @ 事業主は、募集・採用活動を実施するに当たり、多くの学生・生徒に募集・ |
| 採用の周知を図り、広く応募の機会が確保されるよう配慮するとともに、職務 |
| 内容労働条件等求人内容の情報を正確に学生・生徒に提供するよう努めるもの |
| とする。 |
| A 事業主は、採用選考を行うに当たっては、学生・生徒の適性、能力に基づき |
| 適正に実施するよう努めるものとする。 |
| B 事業主は、募集・採用活動を実施するに当たっては、学生・生徒の就職活動 |
| の無秩序化による重複内定が誘発されないためにも、定められた採用選考開始の |
| 期日を遵守する等秩序を保つよう努めるものとする。 |
| C 事業主は、募集の中止又は募集人員の削減を行おうとする場合には、公共職 |
| 業安定所へあらかじめ通知するものとする。 |
| ただし、大学、短大、高等専門学校、専修学校、公共職業能力開発施設及び職 |
| 業能力開発大学校を新たに卒業しようとする者に係る募集人員の削減に係る通知 |
| はこれらの募集人員の合計を、当初の募集人員の合計より 30 人以上かつ3 割以 |
| 上減じようとする場合に限るものとする。 |
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| (3) 採用内定 |
| 採用内定は学生・生徒にとっては、その企業への採用が保証されたものとして、 |
| 当該企業を信頼して、他の企業を選択する権利を放棄するものであることから、採 |
| 用内定は重大な意義を持つものである。 |
| このため、事業主は、採用内定を行うに当たり、次の事項について考慮すべきで |
| ある。 |
| @ 事業主は、採否の結果を学生・生徒に対して明確に伝えるものとする。 |
| A 事業主は、採用内定を行う場合には、確実な採用の見通しに基づいて行うも |
| のとし、採用内定者に対しては、文書により、採用の時期、採用条件及び採用 |
| 内定期間中の権利義務関係を明確にする観点から取消し事由等を明示するもの |
| とする。 |
| B 採用内定は、法的にも、一般には、当該企業の例年の入社時期を就労の始期 |
| とする労働契約が成立したと認められる場合が多いことについて、事業主は十分 |
| に留意するものとする。 |
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| (4) 採用内定取消し等の防止 |
| 新規学校卒業者に対しての事業主の一方的な都合による採用内定取消し及び入職 |
| 時期の繰下げは、その円滑な就職を妨げるものであり、特に、採用内定取消しにつ |
| いては対象となった学生及び生徒本人並びに家族に計り知れないほどの打撃と失望 |
| を与えるるとともに、社会全体に対しても大きな不安を与えるものであり、決して |
| あってはならない重大な問題である。 |
| このため、事業主は、次の事項について十分考慮すべきである。 |
| @ 事業主は、採用内定を取り消さないものとする。 |
| A 事業主は、採用内定取消しを防止するため、最大限の経営努力を行う等あら |
| ゆる手段を講ずるものとする。なお、採用内定者について労働契約が成立したと |
| 認められる場合には、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認 |
| 認められない採用内定取消しは無効とされることについて、事業主は十分に留意 |
| するものとする。 |
| B 事業主は、やむを得ない事情により、どうしても採用内定取消し又は入職時 |
| 期繰下げを検討しなければならない場合には、あらかじめ公共職業安定所に通 |
| 知するとともに、公共職業安定所の指導を尊重するものとする。この場合、解 |
| 雇予告について定めた労働基準法第20条及び休業手当について定めた同法第26 |
| 条等関係法令に抵触することのないよう十分留意するものとする。 |
| なお、事業主は、採用内定取消しの対象となった学生・生徒の就職先の確保 |
| について最大限の努力を行うとともに、採用内定取消し又は入職時期繰下げを |
| 受けた学生・生徒から補償等の要求には誠意を持って対応するものとする。 |
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