旧経営陣との交渉が成立し、296日にわたる工場占拠をとき、新たな出発を期すための「大美堂争議の新たな連帯を創り出す大集会」が、4月18日夕刻、京都市右京区の大美堂社屋で開催された。集会には会場あふれる百二十人の支援の仲間が駆けつけ、たくさんのテレビ局や新聞記者の取材を受けながら、職場占拠闘争の4月末解除を、勝利報告とともに宣言した。
集会は大美堂争議支援共闘会議の井上俊幸事務局長の「闘いは起承転結で進行した。昨年6月27日、中路社長の代理人が突然労働者を集め、『30分以内に出て行け』と言い放った。ただちに占拠闘争を開始し(起)、どう闘って行くかの議論を重ね(承)、10.21に支援共闘を結成し(転)京都銀行や管財人との交渉、府労委あっせんで逃げる社長を団交に出して、1.28のこの場の決起集会の成功(結)以降、オーナー勤務会社(住友商事)への札幌・東京・京都抗議要請行動や勤務しているバンコク支店への百本のFAX送信、社長への500枚の抗議ハガキ、関係当局への要請行動で結論付ける闘いをやってきた」という報告でスタート。
支援共闘・田中啓司自立労連委員長は、「これで終わりましたではなく、これからこの闘いの質をひろげ、友情を団結をひろげる運動を」と主催者挨拶。京都総評・岩橋祐治議長は「派遣切り・雇止めなどと京都・全国の仲間が“派遣村”をスタートに闘い、大きな成果をあげてきた。大美堂の仲間の闘いはそこに勇気を与えるものであった。心から祝福したい。京都総評は引き続き、派遣法の抜本的改正とすべての争議の勝利に向け闘う」と挨拶。そして全印総連本部・出版労連などたくさんの連帯挨拶、2.18争議支援京都総行動を10年ぶりにともに闘った仲間を京都総評・稲村守事務局次長が紹介し、明治乳業争議団の加藤さん、鉄建公団訴訟原告団の蓑田浩司さん(国労熊本闘争団)、合同繊維友禅一般・京朋の朝比奈さんなどが引き続き闘う決意を表明した。
最後に53名の労働者中、一人の脱落もなく闘いぬいた24名の組合員から挨拶。「労働組合も捨てたもんやない。進化し続ける。」「300日闘うコツは、楽しく食事をしておいしい酒を飲むことだ。」など心から支援・共闘に感謝する率直な感想が出され、最後に奥田雅雄委員長は「この間、若い仲間が地域で闘って来た事が大きな成果だ。労働者が誇りをもって政治含めて闘い、資本にこびを売らないことだ」と語った。
集会最後にこの300日近くで目覚しく労働者として、活動家としても成長した若い組合員の発声ですべての労働争議の勝利と労働者の尊厳のため、団結頑張ろうを唱和した。