日本労働組合総連合会京都府連合会(連合京都)

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<政策ニュースレター第115号> 政府提出「介護保険法等改正法案」 参議院厚労委にて可決、今国会にて成立へ

第14-01996号
2017年05月25日

各構成組織
書記長・事務局長および政策担当者 様
各地方連合会
事務局長および政策担当者 様

日本労働組合総連合会
事務局長 逢見 直人
政策委員会委員長 野田 三七生
総合政策局長 川島 千裕
総合政策局長 平川 則男
<政策ニュースレター第115号> 
政府提出「介護保険法等改正法案」
参議院厚労委にて可決、今国会にて成立へ

参議院厚生労働委員会が5月25日開かれ、政府提出の「介護保険法等改正法案」について議論が行われた。民進党からは足立信也議員(大分)、牧山ひろえ議員(神奈川)、石橋通宏議員(比例)、川合孝典議員(比例)が質問に立ち、介護医療院の新設や介護職の処遇問題、市町村に対する財政的インセンティブのあり方などについて問題提起を行った。
質疑の後に採決が行われ、賛成多数で可決された。なお、可決に際し足立議員から介護職員の雇用管理や勤務改善を強力に進めることなど6点にわたる附帯決議が提案され、全会一致で採択された。

主な質疑内容は以下の通り。

(足立議員)認知症サポーターが全国で880万人養成されているが、十分に活躍する仕組みが整っていないのではないか。
(蒲原老健局長)有効に活躍していただくための仕組みづくりを引き続き行っていきたい。
(足立議員)自己負担3割の導入による財政効果は100億円と見込まれているが、介護保険制度の持続可能性を高めることに影響する規模と言えるのか。
(塩崎厚生労働大臣)現役世代である第2号被保険者の介護納付金に総報酬制を導入する見直しを行っており、世代間の公平性という観点から高齢者世帯にも負担を求める見直しは妥当と考える。
(足立議員)給付抑制策が続けば制度への信頼が損なわれ、満足にサービスが利用できない「介護崩壊」を生じかねない。近年では平均初産年齢がかつてより上昇しているなど、30代から親の介護を担うケースが少なくない。第2号被保険者のサービス受給にかかる特定16疾病の見直しと合わせ、被保険者範囲の拡大をはかるべきではないか。
(塩崎厚生労働大臣)若年層の理解を得ることが極めて難しく、また障がい当事者においても障害福祉サービスが介護保険に統合される懸念が強い。過度な負担が生じないよう配慮しつつ、今後も検討していきたい。
(足立議員)家庭内で介護に縛られる家族に対する支援という観点で、家族介護者を介護施設の臨時職員として任用し、要介護者は当該施設に入居してもらう仕組みを検討してはどうか。これにより家族介護が労働して評価されるとともに、職員として休暇がとれるというメリットがある。

(牧山議員)介護医療院の新設にともない、移行にかかる6年の経過期間が設けられ、実質的に介護療養病床廃止の再延長となった。再々延長は無いと明言すべき。
(塩崎厚生労働大臣)利用者の状態像の把握がこれまで十分でなかったことなどから、移行が思うように進まなかった。新設する介護医療院は、医療ニーズに対応しながら生活施設としての機能をもつ新たな類型のサービスと位置づけており、6年間の移行期間内でしっかり転換を促していく。
(牧山議員)利用者負担3割の導入に関し、十分に議論が尽くされたのか。
(蒲原老健局長)8月19日と10月19日の2回にわたり「利用者負担のあり方」というテーマで議論を行い、11月25日に取りまとめに向けた議論を実施した。
(牧山議員)社会保障審議会介護保険部会では、取りまとめに向けた議論を除けば、自己負担3割という具体的な提案についての議論は一度もなされていない。また審議会での議論も賛成・反対の両論あり、総意ではない。2割負担の導入による影響の検証を制度の導入前に実施し、必要に応じて3割負担の導入を再検討すべきではないか。
(塩崎厚生労働大臣)厚生労働省として実施した調査ではサービス利用者数について顕著な差は見られなかったことを根拠とし、現役並み所得者に3割負担を導入することを盛り込んでいる。2割負担導入による影響調査は継続的に実施していくが、一方で法は確実に施行していく。
(牧山議員)介護保険の1号保険料の低所得者軽減強化が、10%への消費増税延期にともない部分的な実施に留まっている。全面的な軽減措置はいつ実施するのか。
(塩崎厚生労働大臣)消費税10%への引き上げ時に実施する。

(石橋議員)市町村に対する財政的インセンティブは「予算の範囲内で」実施するとのことだが、ディスインセンティブも存在するのか。また、インセンティブの付与は調整交付金で行うのか。
(塩崎厚生労働大臣)ディスインセンティブは考えていない。調整交付金は地域によって差がある高齢化率などといった保険者努力の外にある諸要素を調整する目的で交付しているものであり、保険者努力に基づきこれを増減させることは制度の趣旨になじまず、また各自治体からの反発も強いと考えられるため、慎重に検討すべきである。
(石橋議員)介護予防・日常生活支援総合事業について、514自治体に対して行った実態調査が示されたが、「緩和した基準によるサービス」が増加し、また単価や利用者負担額に地域間の格差が生じていることが示されている。厚生労働省としてこの結果をどのように受け止めているか。
(塩崎厚生労働大臣)NPOやボランティアといった多様なサービス提供者の参画がなかなか進んでおらず、既存のサービス事業所がメインの担い手になっていると理解している。全自治体を対象とした調査も早期に結果を示したい。
(石橋議員)今回結果が示されている514自治体は、早期の移行を進めたところであり、比較的財政面で体力のあるところと考えられる。これから移行していく自治体の状況把握こそが非常に重要である。

(川合議員)地域包括支援センターの機能強化に向け、市町村による評価を義務づけるとあるが、何か現場の実務が増えることを意味するのか。
(蒲原老健局長)現状の業務の見直し、棚卸しを含めたセンターの自己評価を実施し、これに基づく業務改善をはかることで同センターの機能強化をはかるという趣旨。
(川合議員)同センターは委託型も多い。機能強化、質の向上といったところまで丸投げされる懸念がある。
(塩崎厚生労働大臣)同センターは、本来であれば市町村が地域の介護保険運営にあたる拠点とすべきところと考えているが、現状では委託型が多い。委託先に丸投げするのではなく、保険者がきめ細かくセンターの機能を把握、改善することに資するため、センターの評価を義務づけることとしている。
(川合議員)そのような目的、趣旨が正しく全国の各市町村に伝わるよう、十分な周知に努めて欲しい。
(蒲原老健局長)ご指摘のとおり取り組む。
(川合議員)介護医療院の一人当たり床面積について、8㎡が基本とされているが、大規模改修までの間は6.4㎡が特例的に認められるとされている。大規模改修までの間とは具体的にいつまでか。
(蒲原老健局長)具体的な期限はない。
(川合議員)期限が設定されないと、将来にわたって大規模改修が行われず、6.4㎡の床面積が実質的に定常化する恐れがある。
(塩崎厚生労働大臣)転換に向けた施設の改修に対し助成するなど、前倒しの転換が進むよう十分に予算を確保し推進していく。
(川合議員)助成の期限を設定し、早期の転換へ動機づけることも重要。介護職員の賃金は他産業と比較し10万円程度低いと指摘されている。この賃金では将来的な生活が成り立たないとして、離職も相次いでいる。5年~10年後までを見すえた処遇改善の取り組みについても議論を深める必要がある。
(塩崎厚生労働大臣)介護人材確保に向けては処遇改善だけではなく、仕事の負担感の解消なども含めた議論が必要と考えている。これにはまず現状を適切に把握する必要があり、そのための大規模調査を実施する。

 

以 上

 

(添付資料)

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