＜政策ニュースレター第124号＞第84回全国健康保険協会（協会けんぽ）運営委員会 報告　協会けんぽの2016年度決算報告書を了承

第14-02258号

2017年08月07日

各構成組織 　書記長・事務局長および政策担当者　様 各地方連合会 　事務局長および政策担当者　様

日本労働組合総連合会 事務局長　逢見　直人 政策委員会委員長　野田　三七生 総合政策局長　川島　千裕 総合政策局長　平川　則男

＜政策ニュースレター第１２４号＞ 　第84回全国健康保険協会（協会けんぽ）運営委員会 報告 協会けんぽの2016年度決算報告書を了承

全国健康保険協会（協会けんぽ）の第84回運営委員会が7月25日、都内で開催され、連合から平川総合政策局長が出席した。 　この中で、 協会けんぽの2016年度決算報告書と事業報告書が了承された。決算については、収入9兆6,220億円（保険料収入の増加により前年度比プラス3,802億円）、支出9兆1,233億円（加入者数の増加により前年度比プラス1,268億円）、収支差4,987億円（前年度比プラス2,534億円）となった。これにより、準備金残高は1兆8,086億円（法定準備金の2.6か月分）となった。
また、毎年行っている今後5年間の収支見通しの前提条件が了承された。
次回は9月14日（木）に開催される予定である。運営委員会での主な意見は次のとおり。   ＜運営委員会での主な意見＞   【連合 平川委員】協会けんぽは徴収業務を行っていないこともあり、保険料収入が年度を越えて国から協会けんぽに交付されているため、決算上の収入や支出の額が一般の加入者にはわかりにくい。資料提出の際には、わかりやすくなるように工夫すべき。事業報告については、インセンティブ制度の導入に向けて検討したことが記載されているが、これについては引き続き丁寧な議論を行うよう要望する。また、「組織運営体制の強化」という章に記載されているように、実務を行う現場職員のモチベーションを維持・向上していくことが必要であり、職員の意見や声に耳を傾けつつ、労使で取り組みを進めていくことが重要。収支見通しの前提条件については、女性の就業率が向上している実態や内閣府の「中長期の財政に関する試算」などを参考にするなどの工夫を行い、試算の精度を高めていくべき。
【委員】決算をベースにした2016年度の均衡保険料率は9.4％であり、本来であれば平均保険料率を引き下げることが可能な財政状況にある。次年度以降の平均保険料率を検討していく中では、こうした現状を踏まえた検討が必要。事業報告については、保険者機能強化アクションプランに掲げた目標の達成度を意識して、今後の取り組みの改善に活用していくべき。
【委員】準備金残高が大きく積み上がっており、次年度は平均保険料率の引き下げを検討すべき。協会けんぽとして財政の赤字構造を改善していく努力に加え、後発医薬品の使用促進が進んだ後も医療費を抑制できる方策を国に求めていくべき。事業報告については、今後、協会けんぽの業務システムを刷新した効果を引き出せるよう、可能なところでは職員配置を減らすなど、さらに効率的な運営を行っていくべき。
【委員】準備金残高については、5年の収支見通しにとどまらず、さらに中長期の視点でみていくことが必要。事業報告からは、協会けんぽの取り組みが年々充実してきていることがわかる。今後さらに保険者機能を発揮していくためには、人材育成が重要であり、本部と支部の偏りなく人材育成に力を入れていくべき。
【委員】情報セキュリティ対策を強化する取り組みを徹底しつつ、今後も継続的に強化していくべき。
【委員】医療費を抑制するために、高齢者だけでなく、現役世代に対しても健診結果を踏まえた早期の受診勧奨を行うなどの取り組みが必要。
【委員】協会けんぽ本部と支部が一体となった取り組みを続けていただきたい。
【委員長】都道府県の医療審議会など、地域医療構想の実現に向けた議論の場に支部の参画が進んでいるようであるが、今後は、参画するだけなく、加入者のために積極的に発言し意見反映を行っていくことを意識して取り組むべき。

以上

（添付資料）

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