人気かばん店・一澤帆布で全員解雇

経営者・一澤恵美と信三郎両氏の暴挙を許すな!

  京都の街中で熟年者に良く知られ、若者にも全国的に大流行している帆布かばんの店、一澤帆布が社員全員(労働組合員)を全員解雇した。三年半前、先代社長が亡くなってから兄弟での派手な相続争いが起こり、二千九年六月二十三日に二通の遺言書についての最高裁の判決に基づき、一澤信太郎氏(長男)に代わって、一澤恵美氏(一澤信三郎氏の妻)が社長に なった。そして本年七月七日朝に突然、恵美氏・信三郎氏他数名が一澤帆布の店に乗り込み、店を閉店して労働者全員が自宅待機させられた。
 約十日後、従業員一人一人個別に面談があり、その場で労働者全員に退職勧奨をしてきた。理由は「かばんの質が悪い」「会社にお金がない」とのこと。しかし、私たちはこの三年半の間、品質の良いかばんを作るため、日々努力してきた。もちろん店を開けていれば、売り上げもあった。
 現在に至っても、経営者である一澤恵美社長・一澤信三郎氏は一澤帆布を再開する努力を全くしていない。同年七月七日に恵美社長・信三郎氏側の弁護士が、自宅待機期間は賃金を全額保証すると言っていたのにもかかわらず、労働組合との協議もなしに一方的に賃金の四割カットを強行してきた。
 労組はこの不当な扱いに納得できないと、会社に対して店の再開とともに雇用継続を求めていたところ、経営者は十一月以降は団体交渉の申し入れにも一切応じなかった。そればかりか、賃金の全額支給や一部労働者の雇止め撤回を求めて十二月一日に京都地裁に提訴した組合員七名全員(残っている社員全員)を、経営者は一方的に不当解雇してきたのである。

十二月十一日に一遍の書面で「再開の目途が経ちませんので解雇します」との解雇予告。説明や協議も一切ない。この不当な解雇事件は若者中心に大きな関心・反響をよび、インターネットの検索数で日本一となっている。すでに残念ながら半分以上の労働者が辞めていったが、この不当な扱いに納得できない勇気ある労働者で結成した合同繊維労組一澤帆布支部は、「都合の良い自分勝手な理由をつけて休業し、労働者の生活や事業再開をのぞむ消費者の声に背を向ける経営者の暴挙は許せません。世間では雇用問題で悔しい思いをしている労働者がたくさんいます。しかし、ここでこの不当な行為を黙っていては、それが正しい事になってしまいます」と、越年して闘う決意を固めている。

激励先 合同繊維労働組合 一澤帆布支部 電話075-431-0670

        

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