3.13鉄運機構裁判報告・国鉄闘争再強化に向けた京都学習集会開催される

 四月二十二日、午後六時半よりハートピア京都ホールにおいて「3.13鉄運機構裁判報告・国鉄闘争再強化に向けた京都学習集会」が開催された。
 主催したのは十九年前、1047人のJR採用差別事件の勝利めざして結成された「国鉄清算事業団闘争勝利をめざす京都共闘会議」。
 百人の労働者・市民の参加を得て、集会は「3.13判決の不当性に怒りながらも闘いの局面を正しく捉え、運動の再強化を今こそめざそう」と、佐々木眞成事務局長代行(合同繊維書記長)の司会進行で進められた。   主催者挨拶にたった萬井隆令議長(龍谷大学教授)は、「この歳になって『時効論』の勉強をせねばならなくなった」と、3.13判決の不当性の意味についてふれ、講演につないだ。そしてすぐに、「鉄運機構訴訟判決と国鉄闘争勝利への展望」と題した鉄建公団訴訟弁護団主任弁護士の加藤晋介氏の講演に入り、「元国鉄職員局次長・葛西敬之を証人として呼び、和解を勧めるということだったが、事態は変わった。判決を覆すには判決をもってするしかない。法廷内外で全力で鉄建公団訴訟の高裁勝利をめざしながら、勝利和解を勝ち取ることだ。当面する六月二日の葛西証人尋問に向け法廷外で大きく運動を起こし、来年三月までの高裁判決に向け闘争主体をより強化し運動を進めよう」と、一時間にわたる加藤節の全面展開となった。
 続く連帯の挨拶では、ともに労働争議を闘う、50歳定年・11万人リストラ合理化と闘う「NTT北陸からの遠距離不当配転反対闘争」、京都市教組超勤裁判闘争(翌日の京都地裁判決で全国初の地公教員の超勤に賠償命令が出る!)、22歳の青年・中田過労死裁判闘争など、国鉄分割民営化以降堰を切って出されてきた資本・当局との激しい闘いの報告がなされた。
 そして岩橋祐治代表委員(京都総評議長)の挨拶とカンパ要請を受け、国労闘争団全国連絡会議(近畿闘争団・大矢勝氏)、鉄建公団訴訟原告団(熊本闘争団・蓑田浩司氏)、全動労争議団(西山順氏)から、「初めて新大阪駅前でハンストをやり、JRの妨害を排除しながら『官製ワーキングプア』の派遣労働者(尼崎市役所)の連帯挨拶なども受けて成功した」(蓑田氏)など、一歩も二歩も踏み込んだ闘いと連帯の挨拶を受けた。
 萬井議長から三人にカンパ贈呈がなされ、集会まとめと行動提起を弁護士である荒川英幸事務局長より受けた。「あと一年の闘いがいかに重要か、回りの人に広げること。人材活用センターよりもひどかった北海道の清算事業団に行ったときのことを思い出した。人を支配する時には、常に支配者は@常に不安にさせる、A無力な存在と思わせる、B魂を売らせる、の三つが原則となる。そして今、ワーキングプアに愛国心を植えつけようとしている。これに対し、国鉄闘争は常に全国の仲間とともに闘うことが出来てきた。自殺をするかナショナリズムに走るかというワーキングプアなどの反貧困の闘いと結びつけ、勝利めざして運動を強化しよう。毎月16日の京都駅前定例宣伝行動の継続と毎春の就学援助カンパの取組強化を」と結んだ。
 司会の佐々木さんから会場カンパ¥42,273が寄せられたことが発表され、国労近畿地本・林青年部長の発声で、全員で力強く団結がんばろうを三唱した。  (2008.4.24・国鉄京都共闘会議・稲村守事務局次長)



 

4月22日ハートピアホールにて。右は、講演する加藤弁護士。