最低賃金の引き上げを求めて意見書を提出

 京都総評は5月31日、今年の最低賃金の引き上げ審議にあたって、京都地方最低賃金審議会(渡辺 峻会長)に対して「意見書」を提出しました。
意見書では、最近の労働者の賃金がわずかに改善されてきている一方で非正規雇用労働者の急増やそれにともなう低賃金労働者の急増を受けて、最低賃金の大幅な引き上げが求めれれていると指摘。京都総評が試算した最低生計費試算結果をもとにした時間額1112円に近づけるために生計費を基にした審議を行うことを求めました。
 京都総評は、現在、京都府最低賃金の引き上げを求める請願署名にとりくみ、7月6日には京都労働局への請願行動を行うことを準備しています。中央の審議会で生活保護を下回る最低賃金の引き上げについての根本的な審議がはじまっている中、今年の最低賃金の大幅な引き上げを求めていきます。

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 "大同団結"こそ重要 ・・国鉄闘争京都集会超満員で成功・・3闘争団・争議団に心からの激励

 6月9日、京都市中京区のハートピア京都ホールで「国鉄労働者1047名の総団結で不当解雇撤回!採用差別事件の勝利解決をめざす6.9京都集会」が開催された。
 120人の席に130人の労働者・市民が超満員で参加し、盛会となった。
  主催したのは、「国鉄清算事業団闘争勝利をめざす京都共闘会議」(略称・国鉄京都共闘)。昨年尼崎事故直後に真相究明をめざすシンポジウムを開催し注目されたが、1047名の解雇撤回問題では六年ぶりの統一した集会となった。
  開会で司会の佐々木真成国鉄京都共闘事務局長代行(合同繊維労組書記長)は、「リストラの時代、大量首切りの嵐のさきがけとなったのがこの国鉄闘争である。が、残念ながらあの四党合意で取り組みがばらばらになったがこの間関係者の間で努力があった。またILOの勧告が6度も勝ち取られ、四党合意に反対するなかで鉄建公団訴訟が取り組まれ、昨年9.15判決が勝ち取られた。この成果の上で、今年に入って東京で2.16集会と4.4集会が統一して取り組まれることとなった。これを受けて今日は久々の統一集会となった。」と挨拶。
  そして萬井隆令国鉄京都共闘議長(龍谷大学法学部教授)は、いよいよ統一して政治解決をはかっていくため今日を期に運動を強化しようと、主催者挨拶。

  続いて、国鉄京都共闘の生みの親である片岡f京大名誉教授(前・国鉄京都共闘議長)から、「国鉄民営化と20年と今後の課題」と題して記念講演を受けた。
  片岡氏は戦前バラバラの民間鉄道を軍事目的で統一されたこと、戦後50万人で国労がスタートしたことなどから説き起こされ、六十年代の高度成長期に公務員・公労協・交運中心に総評労働運動が進められ、七十年代に入ってドルショック・オイルショックが起こり、この資本主義の危機克服のためサッチャーやレーガンの規制緩和政策と市場主義の国際化が図られ、わが国における規制緩和政策の導入の大きな糸口として国鉄の分割民営化が図られたと語った。
 規制緩和の目的は、労働運動の方向を変えるというのが世界的に、サッチャー以来あった、と。 1987年にJR七社が発足したが27万人もいる(それを21万5千人に減らす)のに、誰を採用して誰を採用しないかなどわかるわけがない、設立委員が名簿を出したがそれは国鉄が出した。裁判所に似た行政委員としての労働委員会は国鉄・JRの連続性、実体を重視して救済命令を出したが、2003年12月22日の最高裁判決では三対二の僅差で国鉄改革法を重視した。
 そして不当労働行為があったとすれば国鉄である、と。ILOは六回も勧告を出した。 この間鉄建公団訴訟が取り組まれ、昨年9月15日、東京地裁判決で国鉄の不当労働行為が明らかにされ、一人500万円の支払いを命じた。グローバリズムの中で格差が生み出され、労働者の抵抗、訴訟闘争などもかなり形が変わってきた。個人訴訟で社会化しない、『下流社会』という本がベストセラーになる。大企業の中でも非正規の労働者を組織していかねばならない、その組織と一体で闘って行く事、産別の全国連合体の組織のありようについても示唆を受けた。

 そして「1047人の固い絆」や稚内闘争団の家族が作った詩を元に作られた「嬉し涙を」など、国労大阪合唱団"号笛"のメンバーから久しぶりに国鉄の歌声を披露してもらった。
 また、共闘会議の岩橋祐治代表委員(京都総評議長)から「三十代から五十代という働き盛りに解雇され、二十年もたち心から怒りを感じる。一日も早く団結を回復し勝利を勝ち取ろう」と、挨拶とカンパ要請があり、¥63,992が参加者から寄せられた。
  続いて当該の決意表明として、国労闘争団全国連絡会議(全国キャラバン隊)から長崎闘争団・山口団員、鉄建公団訴訟原告団より蓑田・大串団員、全動労争議団から川端・西山団員が挨拶。こもごも"大同団結"の重要性を訴えた。
 「来年の結婚30年には最高のプレゼントを贈りたい」(山口氏)、
 「24歳で解雇され44歳となった。一日も早い勝利を」(熊本・蓑田氏)
 「兵庫常駐三年になる。阪神大震災の時もいて、パートなど一番弱い者に被害が及ぶことを経験した。去年の尼崎事故でも現場をすぐに見た。どんな思いで高見運転士がマンションに突入して行ったか。規制緩和攻撃に怒りをもち、闘ってよかったといえるように」(佐賀・大串氏)、
 「1047人の大同団結が出来、本当によかった。支援の仲間も大きく統一を」(川端氏)と。
 そして、萬井議長から3闘争団・争議団にカンパが贈呈された。また、国労からは西日本本部・山本副委員長、建交労京都鉄道本部・岩井委員長よりお礼の挨拶があった。

  集会まとめと行動提起として登壇した荒川英幸事務局長(国労弁護団)は、「先ほど片岡先生に白髪を指摘された。青年部を任じていた私だったが・・。二十年たってもなおJRという巨大企業に闘う労働組合の旗が立っていることを、支配者は予想できただろうか?今年、国労京滋で二名の組合員拡大が出来た。私もかつて筑豊でラーメンの行商をしたが、一緒に行った国労闘争団の人の足が玄関先で震えていた。1047人のがんばりでここまで来た。毎月16日の京都駅前定例宣伝行動、就学援助カンパ、署名の取り組みなどの強化を」と訴えた。
 最後に谷内口浩二代表委員より、閉会挨拶と団結がんばろう三唱があり、中曽根元総理が労働運動つぶしのため国鉄分割民営化をやったとぬけぬけと語っていることに怒りを燃やし、勝利を勝ち取ろうと閉めた。


 地域労働運動研究交流集会を開催

 京都総評は、6月3日、4日地域労働運動研究交流集会を開催しました。集会には、府内の地区労協をはじめ単産などから76名が参加しました。
 記念講演は、大原社会問題研究所助教授の鈴木 玲氏が「地域労働運動の時代、国際比較の観点から」と題しておこないました。今年のテーマは地域ユニオン問題で、乙訓、左京、伏見が地域での実践報告を行うとともに、二日目に分散会を行い深めました。