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労働組合を作るには


 中小企業のC社で勤続13年目のBさんからの相談。
 最近社長の急な死去で息子に代替わりした。新社長は会社の体制を見直すと言っているが,一方的な賃下げや休憩時間の短縮など,法律に違反しているのではないかということが多い。上司が社長に進言しても,まったく聞く耳を持ってくれないということである。
 先代の社長も,法律面には疎く,就業規則などまともに整備されていないが,昔気質の,社員を守るタイプだったので,社員も不満なく働いていた。
 業務内容には満足しているのだが,このままでは社員の士気も下がり,社内の雰囲気も悪くなってきそうなので,労働組合を作って,社長と交渉してはどうかと同僚と話している。


アドバイス


 どんな労使トラブルにも対処するための備えの第1歩は,労働組合を作ることです。労働組合は簡単に作れます。
 労働組合を結成するには,まず労働組合を作りたいという人を複数(2人以上)集め,そこで「労働組合を結成」とその複数の人たちが合意したら,その時点で労働組合は立派に結成されました。
 社長にそ旨を通告(状況を見て後日でも良い),規約の作成,役員の選出とありますが,それほど難しいことではありません。 

 みなさんが知っているような大きな労働組合もはじめは誰かと誰かが,ひっそりと準備をして,スタートし,今や何万人の労働組合になっているのです。最初はみんな同じです。いかにたくさんの仲間を労働組合に参加させることができるのか,このことが一番大切であり,また最も難しいことでもあります。
 
 労働組合を結成しよう,また結成したことによって賃金を下げたり,配転,解雇など,組合員(従業員)が不利益を受けることは,許されないことですし,また,労働組合法という法律に違反しています。もちろん,このことを承知のうえで,不利益な配転,解雇を行う経営者も残念ながら,いるのも現実です。

 みなさん方の職場で,組合をいざ作ろうとなると,様々な課題がたくさん出てくることも事実です。自分たちだけでは力不足と感じたときには,他の労働組合に相談したり,個人加盟の組合に入るという選択肢もあります。

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