Q13 上司からのパワーハラスメントで心が折れそう! 弱い立場の私は、退職して泣き寝入りするしかないのかな?
A 使用者には労働者に対する安全配慮義務がある。ハラスメントの状況をできる限り詳しく記録し、証拠の確保を!
法律のポイント
いじめやパワハラは人格権侵害の不法行為であり、こうした行為に対しては、加害者だけではなく、使用者も安全配慮義務不履行により責任が問われる場合があります(労契法第5条)。さらに、労働施策総合推進法(通称「パワハラ防止法」)により、事業主はパワハラ防止のために、雇用管理上必要な措置を講じなければなりません(公布日の2019年6月5日以降、大企業については既に義務化され、中小企業については3年以内(2022年6月頃まで)の政令で定める日までは努力義務)
職場のパワーハラスメントとは
厚生労働省では、職場のパワーハラスメントとは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」としています。
職場のパワーハラスメントの類型
- 暴行・傷害…身体的な攻撃
- 脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言…精神的な攻撃
- 隔離・仲間外し・無視…人間関係からの切り離し
- 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害…過大な要求
- 業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと…過小な要求
- 私的なことに過度に立ち入ること…個の侵害
労働契約法の安全配慮義務
労働契約法第5条は、使用者に対して、労働者が生命、身体等の安全を確保しつつ労働できるよう配慮義務(安全配慮義務)を課しています。したがって、使用者にはいじめ、パワハラ等の行為の防止策を講じる義務があり、これを怠った場合には、使用者は損害賠償責任が問われる場合があります。(民法の不法行為責任)
対応手段
- 記録や証拠の確保
- 連合京都への相談 ※相談内容に応じて最善の対処方法を一緒に考える。
- 労働組合を結成して、組織ぐるみの各種ハラスメント防止対策を講じる。
- 連合京都・YOU・友労働組合に加入して再発防止を求める。
- いじめ、パワハラ等が原因で肉体的、精神的疾病を発症した場合は、労災給付の可能性があるので、診断をふまえ労働基準監督署等にも相談する。
- 職場内部での解決が困難な場合は、法的措置も検討する。
その他のハラスメント相談事例
Q 妊娠したので時間外労働を断りたいけれど、会社が認めてくれない
A 妊産婦が請求した場合は時間外・休日労働・深夜業はさせてはならない
男女雇用機会均等法、労働基準法によって妊娠中及び産後1年を経過していない女性(妊産婦)に対する健康管理や時間外労働の制限、業務転換、産前産後休業などが定められています。
Q 職場でセクハラを受けて悩んでいる
A 会社内のハラスメント相談窓口にできない場合は、京都労働局ハラスメント相談の活用を(075-241-3221)セクシュアルハラスメントに関する裁判では、企業の責任が問われるケースも増えています。企業には「従業員が働くうえで権利を侵害されないよう使用者として配慮する義務」があります。男女雇用機会均等法(第11条)では、事業主に、男女労働者に対するセクシュアルハラスメントの予防など雇用管理上の措置義務を課しています。
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