Q5 退職届を提出したけど、人員不足で退職を認めてくれない。 離職票を交付してくれない‥‥
A 労働者には「退職の自由」があり、辞めたいときは「退職届」を提出。雇用保険給付申請には離職票が必要。退職時に会社へ交付を請求すること
法律のポイント
雇用の期間に定めがないときは、解約(=退職)の申入れから2週間が経過すると雇用契約が終了します。(民法第627条1項)
退職の自由
- 期間の定めのない雇用の場合(民法第627条)
労働者には「退職の自由」があり、そのため退職を希望する労働者は自由に退職することができ、退職の意思表示から2週間が経過すると雇用関係が終了(=退職)します。 - 期間の定めのある雇用の場合(民法第628条)
労働者の「退職の自由」そのものが否定されている訳ではありませんが、労働者からの解約(=退職)の申入れについては「やむを得ない事由があるとき」に制限されています。この場合、退職の理由が「やむを得ない事由」に該当すると判断されるかどうかは個々の事例によるため注意が必要です。なお、1年を超える有期労働契約の場合、契約の初日から1年を経過した日以降は、いつでも退職することができる。(労基法第137条) - 明示された労働条件と異なった場合(労基法第15条)
労働契約の締結の際に示された労働条件が事実と異なる場合には、労働者は労働契約を即時解除できます。帰郷旅費を要する場合には、使用者は負担しなければなりません。
退職に際しての損害賠償請求
民法第628条で、「やむを得ない事由」が当事者の一方の過失で生じたときは、その相手方に対して損害賠償の責任を負うとしている点に注意が必要となりますが、退職と損害の間に相当な因果関係が必要であることから、現実的には損害賠償が認められるのは困難とされています。
「退職願」と「退職届」の違い
退職の意思表示は「退職願」ではなく「退職届」
「退職願」: 退職に使用者の承諾が必要と解釈される可能性がある。
「退職届」: 使用者の承諾は不要となり、「退職届」の提出から2週間が経過すると雇用関係が終了(=退職)となります。
※ 内容証明郵便を利用し、退職の意思表示をしたことを明確にしておくことも有効です
離職票
雇用保険給付申請に必要な会社が手続きする書類2種。退職時に離職票の発行を請求しても、手続きに時間がかかるなどなかなか交付してくれない場合があります。ただし、会社は雇用保険被保険者資格喪失届、雇用保険被保険者離職証明書や関係書類をハローワークに提出する必要があるため、離職票が手元に郵送されるまで最短でも1週間程度は見込む必要があります。催促してもなお交付されない場合は、事業所所在地を管轄するハローワークで事業主への在籍を証明できるもの「給与明細(6ヵ月以上)」「健康保険証」「社員証」「源泉徴収票」「印鑑」を持参し、被保険者本人の請求により資格喪失の確認を行うことが必要です。
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