厚生労働省に対し技能実習制度の適正な実施に関する要請を実施
2018/02/09 No.15-00453 RENGO
厚生労働省に対し技能実習制度の適正な実施に関する要請を実施
Ⅱ.場 所:厚生労働省15階人材開発統括官室
Ⅲ.出席者:
(厚生労働省)安藤よし子人材開発統括官、山田敏充海外人材育成担当参事官、
澤口浩司技能実習業務指導室長
(連合)内田厚副事務局長、村上陽子総合労働局長、冨高裕子労働法制対策局長
Ⅳ.主な内容
冒頭、内田副事務局長が、安藤統括官に要請書を手交した後、「外国人技能実習生の人権に関わる問題もあり、同じ働く仲間として、技能実習制度の適正な実施をお願いしたい」と挨拶した。続いて、安藤統括官より、「本日の要請の主旨でもあると思うが、今後は新制度を適正に運用していくことが重要だと考えている。様々な関係機関と共につくった制度でもあるので、相互に連携を図っていきたい」と挨拶があった。村上総合労働局長から要請内容について説明した後、安藤統括官より要請事項に対する回答があった。要請事項に対する回答および、意見交換の内容は次の通り。
【要請事項】
1.外国人技能実習機構を通じ、監理団体および実習実施者の作成する技能実習計画が外国人技能実習制度の本旨に沿った内容であるか、受入体制が適正か否かを厳正に審査すること。
2.制度本旨に沿った運営がなされるよう、外国人技能実習機構が、監理団体および実習実施者に対する実地検査を確実に実施するよう監督すること。
(回答)技能実習制度を、法律に基づき全体管理する仕組みができたことは良かったと考えている。制度の主旨が実現するよう、法務省とともに機構に対しても指導していく。
3.不適切な運営を行っている監理団体または実習実施者が判明した場合には、改善命令や業務停止命令、許可取消など速やかに必要な措置を講じること。
(回答)制度の適正運用という観点から当然なすべき事と考えており、主務官庁としてしっかり取り組んでいく。
4.技能実習生の適切な保護をはかるため、母国語によるワンストップで受けられる相談・支援体制を構築すること。
(回答)機構では6つの言語で日時を決めて相談対応を行っている。また、地方事務所・支所では少数言語の通訳も確保して個別に対応できるようにしている。監督署も含めて、たらい回しにせずに連携しながら効率的に相談を受けられるようにしていく。
5.技能実習生が実習実施者を変更する必要に迫られた際は、技能実習生からの相談に応じるとともに、確実に次の実習先に転籍できるよう調整・支援を行うこと。
(回答)転籍は監理団体が一義的に行うが、監理団体で対応できない場合は機構でも支援する仕組みにしている。受入可能な監理団体等の情報は、登録すれば閲覧できるようになっており、そうした情報も使いながら転籍支援を行っていく。
6.地域協議会の構成メンバーに、地域の労使団体および技能実習生を支援する団体を加え、課題や情報の共有化をはかること。
(回答)地域協議会は、行政機関相互で個別事案も含めて連携するための仕組みであり、労使団体などを直接の構成員として想定するのは難しい。一方で、労使団体などの声を聴きながら制度運用していくことや、事象に対応していくことは重要であると考えており、連携をどうはかるかは検討したい。
7.技能実習制度が制度本旨に沿ったものとなるよう、技能の適正な移転や、帰国後に技能が活用されているか等の調査および研究を行うこと。
(回答)帰国後に実施しているフォローアップ調査は、回収率が低い。二国間協定では送り出し機関の認定要件として調査協力も設けており、回収率は上げていきたい。フォローアップ調査だけでなくより幅広な調査研究は検討したい。
8.技能実習生に対し、労働時間や安全基準、労働災害補償等の労働関係法令の周知を徹底すること。
(回答)技能実習生に配布している技能実習生手帳は、現在9カ国語で用意しているが、その中で労働関係法令や相談窓口、申告先の情報も載せている。また、入国後の講習の中では手帳を使って講義することになっており、一定程度知識付与ができる仕組みになっている。手帳の活用を一つのツールとして、必要な知識を得て職場に入ってもらえるよう配慮していきたい。
9.労働基準監督署と外国人技能実習機構の相互連携を積極的にはかり、労働関係法令違反への監督指導体制を強化すること。
(回答)相互通報制度を作り、合同調査で現場に入れる連携体制の指示をしている。しっかりとした体制の構築に努めていきたい。
【意見交換】(●:連合、○厚生労働省)
●地域協議会は、法律の条文からも幅広い連携も視野に入れていると思う。労働組合として地域での電話相談も行っており、働く者のネットワークもあることから是非検討して欲しい。
●監理団体、実習実施者ともに相当の数があるが、実地検査については機構の体制フォローもお願いしたい。
○国会審議では、監理団体と実習実施者の全数に実地検査をすることを約束している。必要な体制を確保しながら行っていきたい。
●機構職員には安全衛生に詳しくない人もいるかと思う。以前あった労災防止指導員のようなことも検討してもらえると良い。
○機構については、順次プロパー職員の採用を進めている。一時的には出向職員が中心になるが、コアな職員の育成が必要と考えている。
○以前は法的な裏付けがない中での技能実習制度だったことを考えると、法律ができたのは格段の飛躍。しっかりと取り組んでいきたい。
●債務超過の監理団体も多いが、その部分は実地検査でしっかり見てもらうことが必要ではないか。また、調査で制度の課題を吸い上げ、次の見直しの時などに反映することも必要だ。
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