憲法をめぐる動き
04年11月〜
前のページ  次のページ

04年12月21日
04年12月22日付け しんぶん赤旗

小泉首相  改憲草案の策定指示
        自民「推進本部」が初会合

 自民党新憲法制定推進本部の初会合が21日午前、党本部で開かれました。本部長を務める小泉純一郎首相(総裁)は「新憲法制定は党是だ。多くの党員の意見を集約して、新しい時代にふさわしい、よりよい案をまとめてほしい」などと述べ、来年11月15日の結党50周年にあわせ、同党の改憲草案を策定するよう指示しました。

 

04年12月20日
04年12月21日つけ しんぶん赤旗

 民主党大会 3月メドに「改憲提言」
      
 民主党は20日、定期大会を福岡市内で開き、来年3月をメドに改憲のための「憲法提言」をつくることなどを明記した活動方針、規約改正を採択して二日間の日程を終了しました。
 

04年12月7日
04年12月7日つけ読売WEB

憲法改正草案、首相トップの新組織で策定へ…自民


 自民党は7日午前の党役員会で、来年秋に策定する予定の憲法改正草案について、小泉首相(党総裁)をトップとした全党的な組織を新設し、とりまとめにあたる方針を決めた。

 与謝野政調会長が「総裁を起草委員長にした大きな舞台が必要だ」と提案し、了承を得た。新組織には総裁・衆参両院議長経験者、若手議員、地方組織の代表、有識者らの参加を検討している。

 党憲法調査会(保岡興治会長)がまとめた憲法改正草案大綱案に「衆院の優越」強化が盛り込まれたことに対し、参院が強く反発していることから、全党的な協議の場が必要だと判断した。これに関連し、与謝野氏は、草案大綱案の扱いについて「白紙から始めた方がいいのではないか」と述べ、大幅な見直しがありうるとの考えを示した。

04年12月1日
04年12月2日付け共同通信

改憲大綱、年内見送り 参院の猛反発で自民


 自民党は1日、党憲法調査会で取りまとめを進めている党憲法改正案大綱の年内の了承を見送る方針を固めた。同党幹部が同日夜、「年内了承は難しい」と記者団に述べた。
 同調査会が大綱素案で示した参院の在り方をめぐり青木幹雄参院議員会長らが「参院軽視だ」と猛反発。与謝野馨政調会長も取りまとめ方法に不快感を示している。
 同調査会は3日の起草委員会で参院側が提示する対案を基に議論をやり直す方針だが、執行部内には「新たな協議機関を設置して全体の議論を仕切り直すべきだ」との意見も出ている。このため当初予定していた来年1月の党大会での大綱公表も微妙な情勢となってきた。

04年11月30日
04年12月1日付け「しんぶん赤旗」

自民・公明が国民投票法案を
来年通常国会に提出

 
 自民・公明両党は30日、憲法「改正」国民投票法案などの扱いに冠する実務者会議を開き、法案の骨子をまとめ、来年の通常国会に提出して早期成立をめざすことで一致しました。

 投票法案の骨子では、投票の資格を20歳とする一方、承認の要件である「過半数」については「有効投票数の過半数」とするなど、改憲のハードルを低くしています。

 また、改憲が複数の条項に及ぶ場合に、問題ごとに投票するのか、一勝ちして投票するのか等にかかわる「投票の様式、投票の方法」については、「憲法改正の発議の際に定める法律の規定による」とし、投票にかかわる重要事項はあいまいにしたままです。

 また、実務者会議では衆参の憲法調査会が国民投票法案を審査できるようにする国会法「改正」案を通常国会に提出し、国民投票法案に先行して来年4月中の成立を目指すことでも一致。法案提出権をもたない現行の憲法調査会を法案審議権をもつものへと格上げするものです。

 自民党が狙っていた改憲案の審議の付託先となる「憲法調査会」の設置は決めず、先送りしました。

 先に自民党憲法調査会事務局がまとめた改憲草案の大綱案は、党内の了承手続きでも難航していますが、改憲手続きの整備を進めることで、改憲論議の“活性化”を狙っています。

04年11月28日
2004/11/28四国新聞WEB
来月中旬の了承は微妙/自民の改憲草案大綱 
 自民党憲法調査会(保岡興治会長)が取りまとめを急いでいる改憲草案大綱をめぐり同党参院議員が猛反発、当初の予定通り12月中旬に党内の了承を得られるかどうかは、微妙な雲行きとなっている。

 保岡氏は、党の「お墨付き」を得た上で来年1月の党大会に大綱を提示するため、日程を逆算して12月中旬の総務会了承を目指してきた。しかし、国務大臣との兼職禁止など大綱素案で示した「参院の在り方」に青木幹雄参院議員会長らが反発、保岡氏の根回し不足が露呈した。

 加えて「女性天皇容認」「徴兵制禁止の明記」など党内でも意見が割れる内容を「あえて盛り込んだ」(保岡氏)ことで、「総務会で異論が相次ぎ収拾がつかなくなる」(同調査会幹部)との懸念も浮上。かといって党内の異論に配慮し「両論併記」を増やせば「内容が薄まり切れ味がなくなる」(同)だけに、「無理に総務会を通さず、じっくりと議論した方がいいのでは」との声も出始めている。

04年11月27日

04年11月28日つけ「しんぶん赤旗」

“自民が合意求めれば改憲すすむ”

民主党憲法調査会長が発言


 民主党の枝野幸男党憲法調査会長は二十七日、東京・千代田区内で開かれた憲法改定にかんするシンポジウムで改憲実現の見通しについて「自民党が憲法を本当に変えようとするなら、改正に必要なところから(民主党との)合意をとっていこうと思った瞬間にすべての改憲へのシナリオがはじまる」とのべ、自民党から民主党へ共同の改憲案の作成作業を呼びかけるべきだとの考えを示しました。

 枝野氏は、先ごろ公表された自民党憲法調査会の改憲大綱草案が「全条文改正」にわたる内容になっている点にも言及し「自民党は憲法改正をしたくないのではないか。民主党が反対するから憲法改正できないという構図をつくりたいのだ」とも語り、民主党との合意形成を優先しない自民党の姿勢を批判しました。

 同じ会合に出席した前原誠司衆院議員(同党「明日の内閣」防衛担当)も自民党改憲大綱原案に触れ「自民党が本気で憲法改正したがっているのか疑問だ」としたうえで「(自民党原案のように)非核三原則を憲法に書き込む必要はない」としました。

 前原氏は改憲の必要性について「米軍再編成のなかで日米安保再定義ないし、将来的な日米安保(条約)改定を想定した憲法改正を考えておかなくてはならない」として、日米軍事同盟路線の強化にそった改憲の必要性を強調しました。


04年11月17日
2004年11月17日(水)    共同WEB
12月に改憲草案大綱 自民、初の起草委で確認
 自民党憲法調査会(保岡興治会長)は17日、党本部で憲法改正案作成のための起草委員会(中谷元委員長)の初会合を開き、同日までに取りまとめた改憲草案大綱の素案をたたき台にした改憲議論を開始し、12月中旬までに改憲案大綱を作成する方針を確認した。

このほか保岡氏は(1)来年5月に具体的な条文作成のたたき台となる要綱案提示(2)8月から改憲案作成に入り、10月中旬までに党内手続き終了(3)11月の結党50年大会で発表−−との基本方針をあらためて示した。

初会合では、素案の副題となっている「共生憲法」という表記について「違和感がある」との指摘が出たため別の表現を検討することにした。同時に国家像や安全保障政策では、あえて党の独自色を打ち出していくことでも一致。安全保障基本法など法体系全体を改憲案作成と並行して議論する方針も確認した。

04年11月17日
04年11月17日つけ四国新聞web

改憲草案大綱の素案要旨/自民党憲法調査会


 自民党憲法調査会が17日までにまとめた改憲草案大綱の素案要旨は次の通り。

 【はじめに】国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の3つの基本的原理は今後も維持。

 【第一章】天皇を象徴とする自由で民主的な国▽戦争放棄思想堅持、積極的に国際平和実現に寄与▽国旗は日の丸、国歌は君が代。

 【第二章】天皇は日本国の元首▽皇位は男女問わず継承。

 【第三章】(基本的権利・自由)名誉権、プライバシー権及び肖像権を保障▽知る権利を保有。

 (国民の責務)国民に国家の独立と安全を守る責務。国家緊急事態には国および地方自治体などの実施する措置に協力▽徴兵制は認めず。

 (社会目的としての権利・責務)教育はわが国の歴史、伝統、文化を尊重、郷土と国を愛し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を涵養(かんよう)▽良好な環境の下に生活する権利、保護する責務▽生殖医学、遺伝子技術の乱用から保護。

 【第四章】(平和主義)国際平和への寄与▽侵略戦争の放棄▽自衛、国際貢献のために武力行使を行う場合でも、武力行使は究極、最終の手段。必要かつ最小限の範囲を自覚▽武力行使は事前の国会承認必要▽非核3原則を明示。

 【第五章】(国会)国会は唯一の立法機関。司法、憲法両裁判所を統制▽両院制は維持▽国政調査権の充実▽国会の行政監視活動を補佐する議員オンブズマン設置▽衆院の優越条項強化。

 (首相、行政)首相のリーダーシップ明確化。

 (国会と内閣)首相は衆院議員の中から衆院の議決で指名▽閣僚はすべて衆院議員。そうでない場合は衆院の承認か次期衆院選立候補の宣言が必要。

 (司法裁判所)専門裁判所設置を明文化▽裁判員制度を認める▽憲法判断は憲法裁判所に移送。

 (憲法裁判所)法令の憲法適合性を決定する1審の裁判所。

 【第六章】(財政)1年を超えた期間を一会計年度として予算編成できる。

 【第七章】(地方自治)地方自治体は道州および市町村、自治区(仮称)。

 【第八章】(国家緊急事態、自衛軍)首相は(1)防衛緊急事態(2)治安緊急事態(3)災害緊急事態−の発生を認めた場合、布告▽国家緊急事態が布告された場合、基本的な権利・自由は制限できる▽国会緊急事態において国会の措置を待つ暇がないとき首相は法律で定める事項に関し政令を制定できる。その措置は国会の事後承認を得なければならない▽個別的、集団的自衛権行使のための必要最小限の戦力として自衛軍設置▽自衛軍の任務は、防衛、治安、災害の緊急事態での秩序維持、国際貢献のための活動(武力行使を含む)。

 【第九章】(改正)各議院の総員の過半数の賛成で改正案可決、国民投票の過半数で承認か総議員の3分の2以上で改正案可決。

前のページ  次のページ