新刊紹介

       「自治体自立計画の実際」

                     加茂利男 編著
                     自治体研究社刊 2500円+税

         04年6月4日付け「自治日報」新刊紹介から抜粋

 昨年冬、合併せずに自治体の自立を考えようと長野県栄村で開催された「小さくても輝く自治体フォーラム」に全国から市町村長ら約600人が結集、関係者を“驚愕”させたが、今年四月の第三回フォーラムでは各地域での自立にむけた具体策の報告が目立った。

 著者が指摘するように、強制的合併に反対する「小さくても輝く自治体づくり」をめざす運動は「もう一つの地方自治体改革の潮流」となりつつある。

 本書は、はじめに「三位一体改革」と新たな地方自立計画への動向を概観したあと、各自治体での財政シミュレーションの取り組みを紹介し、「三位一体改革」と「自律」財政の在り方について考察。さらに、各地域で取り組まれている「自立財政計画」を分析した。

 今後の「三位一体改革」の行方は依然不透明だが、財政環境が一段と厳しくなることだけは確かだ。そんな中、各地の自立計画は、合併するしないにかかわらず全市町村が取り組むべき課題といえる。

 資料として掲載された「自立にむけたまちづくり中間報告」(新潟県津南町)、「自立する場合のみんなの村づくり計画」(長野県原村)、「財政シミュレーション」(北海道清里町)、「小さくとも輝く栄村将来モデル」(長野県栄村)、「ネバーギブアップ宣言」(長野県根羽村)、「新たな自治体経営の検討」(長野県下伊那郡町村会)、「長野県『自律』支援プラン」(長野県)、「合併しない自治体への対応」(秋田県)、なども参考となる。
赤字は、引用者がつけました。